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丹野まさよしとがんばり隊

丹野まさよしとがんばり隊

26 天理市視察研修報告

創政会行政視察報告
日時:平成26年7月25日(金)
訪問市:奈良県天理市

(1) 天理市の概要について
天理市の市制施行は昭和29年4月1日。今年市制施行60年を迎える。奈良県北部の奈良盆地の中央に位置し、市域面積は86.37平方キロメートル。人口は67,091人((H26、4.1現在)上代大和の最初の道路として栄えた「山の辺の道(やまのべのみち)」の面影をとどめ、国家創成期の遺跡に富む歴史的風土の地であり、宗教文化都市として知られている。

(2)調査事項「防災対策について」
1)防災ガイドマップ、ハザードマップの作製について
2)自主防災組織の取り組みについて
3)防災スマホアプリについて

(2) 考 察
 「防災ガイドマップ、ハザードマップの作製について」
天理市民の防災対策の指針となるのが「防災ガイドマップ」である。平成17年度に作成されたが、その後3回改訂され現在に至っている。このガイドマップの印象は、「なじみやすく、わかりやすい」ことに尽きる。ゆったりとした紙面構成とイラストや図表を配置したことで、防災に関する興味を引き出し、読みあきない内容となっている。
 また、防災ハザードマップについては、「土砂災害ハザードマップ」「洪水ハザードマップ」「地震ハザードマップ」と災害ごとに分けて作成している。特に地形上多くの被害が想定される土砂災害ハザードマップについては、航空写真を活用し集落ごとに急傾斜地の崩壊や土石流が想定される区域を色分けし、避難所と災害時要援護者施設を地図上に記載し、速やかな誘導を促している。いずれのハザードマップにも災害時における、自助、共助の大切さを強調しており、家族ごとに災害に対する話し合いを行い、日頃の準備の大切さをイラスト等でわかりやすく作成してある。また、これらのハザードマップを配布するだけでなく地域の自主防災組織や学校・公民館等の防災研修の資料としても活用している。

 自主防災組織の取り組みについて
自主防災組織については、平成18年度より町内会単位に組織化を進め、目標の市内170組織に対して130組織が結成されている。(H26,4月現在)
結成にあたっては、初年度自主防災組織結成補助金として10万円、2年目に活動補助金として2万円を支援している。また、結成された130団体に対しては、リーダー養成を目的として防災研修会や炊き出し訓練等を毎年行っている。さらに、奈良県が実施している防災士養成講座にも積極的に派遣し、受講料の助成を行っている。その結果、3年間で22名の防災士が誕生している。
自主防災組織と行政の連携での取り組みで、特に関心を持ったのは天理市の防災訓練における意欲的な取り組みについてである。名取市でも市の防災訓練は実施しているが、天理市では日中の防災訓練に引き続き、避難所である体育館を使って宿泊する防災キャンプを実施している。
東日本大震災時に避難所設置に関わった経験からいっても、夜間の訓練は欠かせない。電気や上下水道がストップし暗闇の不自由な条件のなかで、いかに冷静に朝を迎えることが難しいか体験した。このような防災キャンプの経験は、実際の災害時に大きな力となると考える。

 防災スマホアプリについて
防災アプリについては、天理市のホームページをリニューアルする際に防災アプリを作成している。スマートホンに実際にダウンロードしたのをみることができたが、1)GPS周辺地図検索、2)避難所一覧、3)医療機関一覧、4)AED設置個所一覧、5)防災ガイドマップ、6)防災ハザードマップ、7)防災情報リンクとすべての情報を閲覧できるようになっている。これは、緊急時の情報を収集するうえでとても便利だ。市のホームページとリンクしながら、防災に特化した防災アプリの作成は早急に必要であると実感した。
ただし、現在の天理市のアプリでは、アプリの地図情報に自分の位置情報を表示することができなので改良したいということであった。仮に、アプリの地図に自分の現在位置が表示できれば、いちばん近い避難所や病院に誘導できるからだ。
 以上、天理市における防災対策について調査をしたが、大きな成果があった。名取市では、先に東日本大震災の教訓を最大限に生かすべく、防災対策の見直しをしているところであるが、いかに市民に分かりやすく伝え、市民自らが行動し、自らの命は自らが守るという自助の精神を養うために必要なことは何か。また、地域住民の命を守る共助活動である自主防災組織の活発化を図るためのリーダーのやる気を育成を具体的な取り組みは何かということを突き詰めて考えることが必要なのだと痛感した。それぞれが地域の地域の一員として、自主防災組織の活動に取り組むとともに、議会の一員として自助、共助の精神を養う防災施策について積極的に提言していきたい。    


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